十勝の大地にレンガを積む。酪農家夫婦のチーズ工房と住まい 足寄町Kさま邸

足寄町茂喜登牛(もきとうし)地区で放牧酪農をされているご家族のお住まいです。自分たちがつくる牛乳でチーズの加工から販売まで行う計画で、住まいとチーズ工房を一体で建てたいというご要望でした。
放牧酪農とは、牛を牧草地に放して自由に草を食べさせる酪農のスタイルです。北海道の酪農は牛を牛舎に入れる舎飼いが主流ですが、放牧酪農では牛が広い草地をのびのびと歩き回り、自ら草を食べ、ふん尿が牧草地に還るというシンプルな循環で成り立ちます。牛が健康に育ち、環境への負荷も少ない。北海道でも少しずつ広がってきている農業のスタイルです。

外壁は全部レンガにしたい、しかもご夫婦が自分たちでレンガを積みたいというご要望でした。

使った野幌産煉瓦は1万個以上。YouTubeで勉強しながら進めました。後日その職人さんが見に来て、夫婦2人で本当に積んだんですかと驚いていました。
木の香りに満ちた室内

建物の中に入ると、木の香りに包まれます。壁も天井も、カラマツを中心に多くの木材が使われています。
最初は一部屋だけ木を貼ろうという話でしたが、貼ったら気持ちよくて全部貼ることに。これだけ多くの木材を内装に使うと調湿機能が効いて、夏に壁に手を当てると木が吸湿している感じ、秋は木が乾燥しているのを感じます。室内の湿度をある程度コントロールしてくれる自然素材の力です。

採光にも工夫を凝らしました。高窓を設けて、自然光を室内に取り込めるようにしました。薪ストーブの燃焼管理上、手動で開閉できるようにしてほしいという要望も反映しています。
チーズ工房・カフェ・住まいが一体に

完成した建物は、チーズ製造室・販売スペース・カフェスペースと住居が一体となった複合施設です。

木材に包まれた寝室

オーナー自ら積んだレンガに囲まれた薪ストーブ

カフェ厨房

壁一面の本棚

室内の木製サッシ越しに望む茂喜登牛の牧草地

景色も楽しめるキッチン。木の温かみと機能性を備えた、日々の料理の場

ロフトのある子ども部屋
