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12坪

2週程前の日曜日、雑然とした(散らかつている)私の書斎(狭い部屋)をしばらく振りに整理していると、本の下になつていたDPEの封筒が出てきました。  中の写真を見ると23年前に建てた建物の工事中の記録写真でした。この建物は施主との出会いから工事の完成までが、ほぼ全てを思い起こす事が出来る私にとってとても印象深い1軒なのです。時間の感覚からしますと、4年程前の事のように浮かんで来ます。

紹介され、お伺いした時の施主のおばさんの第一声は「うちの土地はネズミの額程しか無いんだけど家、建つかい?」でした。狭い時にはよく「猫の額」と言いますが、施主のおばさんは「ネズミの額」と表現するのです。

早い話が今住んでいる古い家を取り壊して2世帯住宅を建てたいと言う事なのいです。その当時、私の実積としては兄の家ただ1軒だけの「鳴かず、飛ばず」状態の頃でした。

「現在もそう変わつていないような気もしますが」

それも「超ローコスト住宅」

この話は私にとつては願つても無いチヤンスに感じました。

初対面からなのか、施主は敷地の面積はとうとう教えてはくれませんでした。

土地の地番は分かつたので、さつそく法務局で面積を調べました。出てきた土地の測量図に描かれている大きさがなぜか小さすぎるのです。縮尺が違つているのかなと思つたのですが、「なんと12坪」・・・。「40.5」㎡。私は自分の結婚記念日は覚えることが出来ないのですが、この「40.5㎡」だけは忘れることの出来ない数字になっているのです。多分、私の結婚式よりインパクトが大きかつたのでしょうか。

この土地の上に「2世帯住宅」「玄関は2つ」「車庫も付けてね」「アツプライトピアノも入れる」「お風呂は2つ」もちろんトイレも、台所も「2つ」・・・。

翌年には「玄関が2つ」以外はほぼ満たされた家が完成しました。ま、とにかく予算も含め悪条件は全て完璧に揃っていました。

でも世の中捨てたものでも無く、施主家族が皆さんとてもおおらかだつたのです。構造は地下1階地上3.5階鉄骨造。 私には「40.5㎡」が何よりの栄養剤だったように思います。

なかなか画像処理がうまく行かないのですが、次回にはパソコンにはとても明るい「福ちゃん」と言う女性が仕事に新しく加わつたので画像処理も手伝ってもらえるかと思います。

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