冬から打ち合わせを続けていた土地の購入契約を今日済ませることが出来ました。
この土地には築60年を越す住宅,納屋などが残されていました。納屋には1匹の野良猫が住みついていました。
住宅に人が住ま無くなってから10数年が過ぎているとの話で、この猫は無人の納屋で生まれた「野良2世」との事で、納屋の中を見るたび、窓辺にはキヤツトフードが置かれていて、近くに猫を何度か見かけました。売主の息子さんからは母が猫に餌と水を運んでいると耳にしていました。「猫好きなお母さん」程に聞いていました。
契約の為、初めてお母さんの家に上がらせて頂きました。町の住宅地住まわれ、2世帯で住まわれ、人柄が偲ばれる様な手入れの行き届いた素敵なお庭に囲まれたお住まいでした。
居間に通され、ソフアに座るとお母さんの隣には椅子の上にのんびりと目を閉じた見たことの有る白と黒の猫が1匹。
納屋にいた猫なのです。お母さんのお住まいから距離にして15キロ程は有るはずで、6年以上の間、餌と水を与えに車で夏も寒い冬も廃屋の納屋に通われていたそうです。親猫は数匹の子猫を産み、生き残ったのは「この子」だけだそうです。 近くには農家が点在する程度で、零下20度を超える冬の納屋に置いた水を入れ替えに行くと、前に入れた水は凍ついるのですが、器の氷には猫の舌が舐めたところだけが溶け、溝になっていたと話されていました。冬には道路から納屋までの長い距離を費用を掛け、除雪までされていたそうです。
離農され、無人になつた家の納屋に住みついていた「野良2世」は暖かないまで心優しい飼い主のもとで幸せに暮らしていました。