それは23日夜遅くの事です。状況は劇的でも無いのですが私にとってはやはり大きな驚きでした。
NHKのテレビ番組で「視点・論点」と言う極、短い番組があるのですが、たまたま1人でチヤンネルを回しているとこの番組が始まるところだつたのです。
余り興味が惹かれる番組ではないのですが、間もなく解説の方が現れてきてお話が始まりました。
この日の解説者がたまたま私が今年の7月に講演を聴きに行きました、建築家の安藤忠雄さんでしたので眠いながらもつい、つい聞いたのです。
やはり仕事柄、建築に係わる事を織り交ぜ話は進んで行くのですが、話しの途中に「サムエル・ウルマン」と言う人の詩が紹介されたのです。私には広く、詩などの素養は身につけてはいないのですが、正直なところ、私は驚きました。
この詩は私が20年程前に、ある会社の応接室に飾つてあつた詩だったのです。 この応接室でしばらく私は待たされたので、何度もこの詩を読み返したのです。 散々待たせた所で担当者が入つて来たので、つい聞いたのです。
「飾っているこの文章は誰が書いたのですか?」
するとその担当者は確か、「うちの社長じゃないですか?」とそっ気無い答えが返つて来たように憶えています。
この時以来この応接室に掛けてあった「社長の文章」に私は影響されて来たところがありました。
この当時の私は説明する事も無い「鳴かず、飛ばず」の毎日でした。でもあの頃の清々しさは今もある様な気がしますが。
少し長くなりますが、今夜は仕事は二の次にしてこの詩を紹介させて頂きたいと思います。
ー青春とはー 「原作詩・・サムエル・ウルマン」 自由訳・・新井満
青春とは 真の 青春とは 若き 肉体の中に あるのではなく 若き精神の中にこそ ある
薔薇色の頬 真つ赤な唇 しなやかな身体 そういうものは たいした問題ではない
問題にすべきは 強い意志 豊かな想像力 もえあがる情熱 そういうものが あるか ないか
こんこんと湧き出る 泉のように あなたの精神は 今日も新鮮だろうか
いきいきしているだろうか
臆病な精神の中に 青春はない 大いなる愛のために発揮される 勇気と冒険心のなかにこそ
青春は ある
臆病な20歳がいる 概にして老人
勇気ある六十歳がいる 青春のまつただなか
歳を重ねただけで 人は老いない
夢を失つたとき はじめて老いる
歳月は 皮膚にしわを刻むが
情熱を失つたとき 精神は しわだらけになる
苦悩 恐怖 自己嫌悪
それらは 精神をしぼませ ごみくずに変えてしまう 誰にとつても大切なもの それは感動する心
次は何がおこるのだろうと 目を輝かせる 子供のような好奇心
胸をときめかせ 未知の人生に
挑戦する喜び さあ 目をとじて 想いうかべてみよう あなたの心のなかにある 無線基地青空たかくそびえたつ たくさんの
光輝くアンテナ
「少し長くなりましたが、私も眠い目をこすりながら書いていますのでもう少し我慢してくださいね」
アンテナは受信するだろう
偉大な人々からのメツセージ 世界がどんなに美しく 驚きに満ちているか
生きることが どんなに素晴らしいか
勇気と希望 ほほえみを忘れず
命のメツセージを 受信しつずけるかぎり
あなたはいつまでも 青年
だが もしもあなたの 心のアンテナが倒れ
雪のように冷たい皮肉と 氷のように頑固な失望に おおわれるならば
たとえ二十歳であつたとしても あなたは立派な 老人
あなたの心のアンテナが 今日も青空高くそびえたち 命メツセージを受信しつずけるかぎり
たとえ八十歳であつたとしても
あなたはつねに 青春
青春とは 真の青春とは
若き肉体のなかに あるのではなく
若き 精神のなかにこそ ある
最後に岡田義雄さんの翻訳の一部も載せておこうと思います。
人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる