昭和27年(1952年)に建てられたブロック造平屋建て住宅。28年後の昭和55年、2階部分を増築。設計者は元海軍横須賀工廠で、艦船などの設計をされていた祖祖父。外観はシンプルな白いモルタル壁と赤い切り妻屋根。室内を見せて頂くと、居間と台所を仕切るようにして今風に言うと「再生バイオ暖房+グリル」とでも表現するのでしょうか。私は初めて見る薪による「ペチカ+炊釜+オーブン」。60年ほど以前、「オーブン」によつて家庭料理が作られていた事を思うと新鮮にうつります。
全とも特徴的なところは、寝室に作られたしっかりと作られた2段ベツド。この2段ベツドが全ての部屋の天井高さの基準の様です。天井高さは2.8㍍ほどでしょうか。 床材は60年の重みえお感じる堅木のフローリング貼り。ペチカのある居間の暖かな空気を寝室に送られるように考えられたドア上部壁に明けられた通気窓。 当時としては考えられない居間の壁に組み込まれている仏壇。限られた空間の中に機能をギュッと組み込まれた、正に「船」なのです。
2階には近年作られた2帖ほどの台所がコンパクトにまとめられ、屋根高さとの関係で床が階段を3段ほど下がる構造なのです。この部分にも祖祖父の「遺伝子」を見つけました。本物のお家でした。
住宅の建替えについて相談があり、初めてお伺いさせていただいた現在のお住まいの感想でした。
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