先月の事なのですが、帯広から車で40分ほどの清水町へ仕事で出かけた時に見つけた建物のお話です。
町中を走っているとなかなか趣きのある木造の建物が目に入りました。通り過ぎられない何かを感じたのです。このことをうちの家族は「悪い癖」と言っていますが・・・。
この建物の外観の写真を何枚か撮っているうちにやはり中も見てみたくなり、趣きのある建物は何か言葉少なく微笑む「美人ママ」にも似ていて、つい入って見たくなるものですよね。
そう決めたらさっそく「今日は、通りがかりの者ですが」と、見るからにただ者では無い木製の両開きドアを開け中に入り、応対くださつた奥様にこの建物の生い立ちなどをしつこく聞き、とても親切に教えて頂きました。
すると、この建物は昭和11年に竣工した「北海道拓殖銀行清水支店」との事でした。 略して「拓銀」。 後にも先にも日本初の破綻した都市銀行なのです。 早くも20年くらいになるでしょうか。
現在は印刷会社として「現役」なのです。室内はインクの臭いが漂っていました。 天井が高く、カウンターなどほぼ当時のままなのには驚きました。
事務所へ帰り、この「発見」の話を「福ちゃん」にすると、彼女も血が騒ぐようでしたので翌週に現場のついでに再度見学に訪れました。
「今度は会社の子も見たいと言うので・・・」
最初は遠慮気味の彼女でしたが、だんだんと私以上に隅々のチエツクが始まり、「この折り戸の丁番、取り替えた跡がありますよ!」だって。
住人を前にして私はそこまでは言えません。今度は菓子折り持参で奥の金庫室の中まで入れていただこうと思っています。